2009年9月1日火曜日

平岡宏一「チベット密教研究に関する方法論:ゲルク派ギュメ密教学堂での伝統的教授法を通じて」

 ツォンカパの打ち立てたゲルク派の密教体系は秘密集会タントラをすべてのタントラの最高峰に位置づけた。またその理解は顕教の知識を前提とする体系と言える。

 私は1988〜89年の二年間に渡り、インド亡命中のゲルク派の密教総本山ギュメ寺に留学し、以後20年にわたりギュメ寺の元管長ロサン=ガンワン師の指導により『秘密集会タントラ』を中心にゲルク派の密教を学んできた。

 2008年、ギュメ創建者ジェ・シェーラプ・センゲの著わした『灯作明複注“ティカ”』の伝授がすべて終了したのを機に、師の指導で,“レールン”と呼ばれる『秘密集会タントラ』の行を成満した。

 それら経験を踏まえて、今回の発表では、
  1. 密教を学ぶ上で最低どの程度の顕教の知識が必要なのか。
  2. また密教の学習において師を選ぶことは最重要の要件とされるが、その理由と、実際インドの亡命チベット僧に師を求める際の基準。
  3. 伝統的な一連の行の流れの説明と、その行の前提としての儀軌の勉強の仕方
 以上の3点を映像も交えながら、分かりやすく説明する。

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